モデリングと数値計算(主に化学工学向け)

化学反応、移動現象のモデリングと数値計算の話

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Pythonを用いた連立1次方程式の数値解法(LU分解)

はじめに Python (Numpy, Scipy) を用いて連立1次方程式を数値的に解く方法についてメモを記す。 例題 これを行列で表すと、 解き方 numpy.linalg.solveを使って次のように計算できる。 import numpy A = numpy.array([[1, 2, -1], [2, -1, -1], [5, 1, -3]…

管型反応器のモデリングと数値計算

はじめに シンプルな条件での管型反応器のモデリング・数値計算を行う。 管型反応器 下図のようなA→Bの反応を行う管型反応器において、初期は管型反応器内に成分A, Bが存在しない状態として、入口から成分Aを供給し始めたあとの反応器内のAの濃度変化を考え…

1次元非定常熱伝導の数値計算

はじめに 前回、1次元非定常熱伝導のモデリングを行い偏微分方程式を導いたが、今回は数値計算によりその解を得る。 方程式 加温したステンレス棒を急に冷水につける問題について、前回導いた偏微分方程式および初期・境界条件は下記のとおりである。 差分近…

1次元非定常熱伝導のモデリング

はじめに 円柱の1次元非定常熱伝導のモデリングを行う。(数値計算は別途) 円柱の1次元非定常熱伝導 円柱状のステンレス棒を均一に加温し、それを突如冷水の水槽に入れたときのステンレス棒の温度変化を考える。 熱収支 下に模式図を示す。棒はかなり長く…

バッチ反応のモデリングと数値計算

はじめに バッチ反応(液相、一次反応)の非常に簡単な例でモデリング、数値計算を行う。 モデリング 下図に示すとおり成分Aから成分Bを生じる液相バッチ反応について、時刻tにおける成分Aの量を求めることを考える。 物質収支 (成分A物質量の変化速度) = (成…

鉛直投げ上げの数値解法

はじめに 高校物理で最初の方に習う物体の鉛直投げ上げをオイラー法で解く方法について記す。数値計算を使わなくても簡単に解ける問題であるが、数値計算の超基本的な考え方を確認するにはよいと思われる。解析解と数値解法を示し、解析解と数値解を比較して…