管内流れの1次元移流方程式
はじめに
管内の流れを対象として次の1次元移流方程式を導出する。
導出
気体混合物が図の管内を左から右へ流れているとする。気体混合物中のある成分Aについて、微小区間 における微小時間 の間の物質収支は、
と考えられる。ここでAの流量を [kg/s]、微小区間内の成分Aの量を [kg]として物質収支を数式で表すと下記となる(流量は管の半径方向に対し一定と考える)。
両辺を および微小区間体積 で割ると、
流量 を全ガス流量 [m3/s] と濃度 [kg/m3] の積 () に置き換え、また は濃度 と等しいことを考慮すると上式は次式の通りに書き直せる。
空塔速度 [m/s]とし、 の極限をとると、
式を整理すると下記となる。
一次元移流方程式は初期の濃度の分布が速度uでその分布の形のまま運ばれていく様子を表す。この式単独で使うことはなく、拡散や反応など他の現象と組み合わせて使う。なおこの式を解いてもあまり実用性はないが、数値計算で解くのは非常にきびしい。解のイメージは下記が参考になる。